日本経済新聞(夕刊)5月17日

「PS3」来春に発売

  • SCE画質、映画並みに

 【ロサンゼルス=佐々木聖】ソニー・コンピューターエンターテイメント(SCE)は十六日、家庭用ゲーム機の次世代機「プレイステーション3(PS3)」を来年春に発売すると発表した。ソニーグループが東芝、米IBMと共同開発したMPU(超小型演算処理装置)「セル」を搭載。演算能力を現行機種の約三十五倍に高め、映画並みの画質でゲームを楽しめるようにしたという。
 PS3のシステム全体の演算能力は米マイクロソフトが十二日発表した次世代ゲーム機「Xbox360」と比べても約二倍だという。ゲームに登場する人物などのキャラクターの動きを精密に表現でき、映画並みのコンピューターグラフィックスをゲームとして表現することができる。最高画質のハイビジョン映像に対応し、大画面テレビでも高精密な映像を映し出せる。
 次世代DVDの「ブルーレイ・ディスク」の採用を予定。現行のDVDなどの再生も可能で、今あるゲーム機向けのソフトを楽しむこともできる。インターネットに接続して、画面上で会話しながらオンラインゲームを楽しめるほか、SCEの携帯ゲーム機などとの連携も可能だ。
 SCEの久多良木健社長は「ゲームや映画、音楽、ネットなど複数のメディアを楽しむ世界最大のプラットフォームにしたい」と意欲をのぞかせた。価格は未定。来年春から全世界で順次発売していく。